第18章 君のこと
由良side
テスト期間中で部活もなく、学校も午前中までのある日。
なぜか赤司くんにお茶に誘われた。
一旦家に帰って着替えてから私の家の前で待ち合わせることになった。
赤司くんとお出かけなんて嬉しいけど....何の用だろ....。
絶対なんか企んでるよね....。
なにせあの赤司様だもん...。
嬉しさと共に不安も抱えながら制服を脱いで私服に着替える。
赤司くんの隣に並んでも恥ずかしくないような服ってどんな服だろう。
私一人で出かけるんだったら適当でいいと思うけど、隣には赤司くんがいるんだよね。
うーん....。
悩んでいると、声が聞こえてきた。頭の中から。
『何に悩んでるの?』
「みさきなでしこ。服。」
『デートでもするの?』
「デ、デート....?違うっ...。」
『えー、怪しいー。』
「赤司くんにお茶に誘われただけだってば!」
『え!それをデートって言うんだよ!』
「で、服どうすればいいかなって。」
『それなら任せて!』
みさきなでしこの指示に従ってクローゼットから服を出してそれを着る。
淡い水色の襟付きノースリーブワンピースを着て、その上から薄手のカーディガンを羽織り、ドット柄のタイツとショートブーツを履く。
小さめのショルダーバッグに財布と携帯とハンカチ、ティッシュなどを入れて家を出た。
もちろん鍵は閉めてない。