第17章 勉強会をしよう
「それで、ここに何しに来たんですか?」
「何って....図書室なんだから本読みに来たに決まってるでしょ?それとも何?こんな派手な外見した人が本読みにくるなんておかしいって言いたいの?」
「そんなこと言ってません。人は見かけによらないってことですね。」
「やっぱり思ってたんじゃない。それでさ、黒子くんのおすすめ、なんかないの?」
「そうですね....。今はこの棚に並んでるこの作家さんの小説がおすすめです。」
「へぇ。どんな内容なの?」
「主人公の女性が親の離婚で離れた姉と再会するのですが、主人公が好きだった男性は姉の彼氏だったんです。主人公は失恋してしまい無気力状態になり部屋に引きこもっていたところに幼馴染の男性が毎日来て最終的には主人公とその幼馴染の方は恋人関係になる、そういう話です。」
「要はラブストーリーってことね。面白そうじゃない。これにしよっと。」
「まだまだ続きがあるので1巻読んでみて面白いと感じたら語り合ってくれますか?」
「えぇ、いいわよ。面白かったらね。」
「楽しみにしてます。」
いつも無表情な黒子君が少し笑ってくれて嬉しくなった。
「あ、そうだ。あの、バスケ部のみんなとテスト前恒例の勉強会をする予定なんですが、みさきなでしこさんもどうですか?」
「勉強会?面白そうね。参加したい!」
「分かりました。では本日の放課後、部室に集合してください。赤司くんの家でやりますから。」
「分かったー。」
黒子くんから勉強会の話を聞いてとても待ち遠しくなった。
放課後楽しみだなぁ。
ウキウキした気持ちで、黒子くんが薦めてくれた本を棚から取ってカウンターで色々済ませて教室にスキップしながら戻った。