第16章 お菓子と彼と
「でもよ....!」
「あなたまで何してるんですか。少しは大人な対応取ってください。」
「あ、あぁ....。すまねぇな...。」
ほんと、年下の癖にしっかりしてやがるなぁ。全く。
「とりあえず柏木の手首の手当てをしないと。」
「....手当てなんて....しなくていい....。」
「は?」
「....こんなことでしか....自分を抑えられない....。」
「なに言って....」
「柏木、そこの椅子に座れ。」
「....こんなんじゃ....死ねないから平気....。」
「俺のいうことを聞け、柏木。」
そう言って呟く柏木を赤司が強引に椅子に座らせた。
「沁みるが我慢してくれ。」
沁みる、という言葉に反応して柏木が手を引っ込めようとしたところを俺が掴んでさせない。
「....痛いのは嫌....。」
「オメーな....。痛いことさっき自分で思いっきりやっただろうが。」
「....あれは違う....。痛くない。」
「は?痛くないはずないだろ。」
「んっ。」
消毒されて痛いのか、顔を歪めて耐えている。
「念のため病院に行ったほうがいい。」
赤司が包帯を手首に巻きながら言った。