第16章 お菓子と彼と
今までだって私のせいで傷ついたって人もいっぱいいたし、多重人格だって知ったら気持ち悪いって、離れていった人だっていた。
虹村さんも今目の前にいる赤司くんもキセキの世代のみんなもいつ私の前からいなくなるのか不安でたまらない。
それに....今まではこんな....忘れるなんてなかったのに....なんで....。
自分の身になにが起こっているのか分からなくて、それを他人にも説明できなくて本当に私は役に立たないな、と思った。
「柏木?大丈夫か?」
赤司くんの声でハッと我に返った。
「....大丈夫。」
「....全然大丈夫そうに見えないんだが。」
心配そうにこちらを見てくる。
「....私は元々こういう顔だから。」
なんかよく分からないフォローを入れた。
「そうか?それならいいが、また何かあったら言ってくれ。」
頼もしいな、赤司くん。
ちょっと元気が出てきた。
「....うん。ありがとう。」
「さ、戻ろう。」
体育館に戻るために立ち上がる。
あ....。
その時、ふと思い出したことがあって、その疑問を赤司くんにぶつけた。