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マイカラー・パレット

第5章 第2ボタンをあなたへ/黒子テツヤ・青峰大輝



「……大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫だよ。桃井さんは?」

「黄瀬くんたちとも写真を撮ると行ってしまいました」

「そうなんだ……」


「あのっ……」同時に声が重なる。
春の風が二人の間を吹き抜けていく。


「さんが好きです」

「黒子くんが好きです」


互いを見つめ、勢いをつけて口にした言葉。
そのタイミングまで面白いように合い、どちらからともなく、抱き締めあった。


「青峰くんに取られるかと思いました……。だから、青峰くんにさんを会わせないようにしたのですが……」

「それで宛もなく歩いてたんだね! 私は桃井さんに取られるかもって心配だった……。いつも、黒子くんと一緒に居たから」


どこまでも重なりあう二人の思い。


「高校に行っても、試合観に来てくれますか?」

「もちろん!」

「……ありがとう」

「え?」


聞き慣れない彼のため口に驚いていると、の唇に微かに触れた彼からの口づけ。


これまでの彼女たちとは、今日でサヨナラ。
今日から、新しい彼女たちの物語が始まっていく……。


「その前に……これを」

「……制服のボタン……」

「桃井さん曰く、卒業式に第2ボタンを好きな人に渡すのが伝統らしいので……」

「ありがとう!! 宝物にするね!!」


第2ボタンをあなたへ【完】



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