第1章 はじめて(銀時 強引)
「こっちむいて」
力を緩め、目の前で囁く銀さん。
恥ずかしさのあまり、わたしは銀さんの首元に顔をうずめ、甘えるように、表情を隠す。
「こっち、むいて?」
頭をなでられ、頬に手を添えられて、しぶしぶ、わたしは銀さんに向き直った。
はずかしくて目を見ることができない。どうしても顔をあげられない。
銀さんの手が、わたしの頬をなでる。ゆっくりと、やさしい手つき。反対の手が、背中を、腰を、なでていく。ゆっくり、ゆっくり。
やっぱり無理だ。
はずかしすぎる。
裸になるなんてぜったい無理だし、おっぱいだって見られちゃうわけだし、おしりだって、あそこだって、見られちゃうかもしれないわけだし、無理、絶対に、無理……。
「今さら、待ったは無しだぜ?」
……こころ読まれてた。
もう、泣きそう。
ちらりと見上げてみたら、赤い瞳が、まっすぐにわたしを見つめていた。
「銀さんあの、でんき……」
「ああ? 暗かったらの身体見れねーじゃん」
「み、みなくてい……」
見上げた途端、唇を、奪われた。
食べられちゃいそうな、深いキス。舌をからめられて、口の中をあらされて。舌をすわれて、たべられて――
もっともっとからめられて、ねっとり。
「こんなにしっかり帯しめちゃってさー」
気がつけば、いつの間にか、帯を解かれていた。キスをしている間に。
「ま、まって!」
「まった無しっつただろ。こっちだって我慢の限界だっての」
バスローブを脱がそうとしてくる銀さん。この下は下着をつけていないのに。迷ったけど、つけない方がいいと思ったから。ちゃんと着ておけばよかった。無理。恥ずかしい。見せられないよ。
抵抗していたら、布団の上に押し倒された。両手をおさえつけられて、なんだか無理矢理されているみたい。でも全然嫌じゃなくて、むしろ無理矢理にでも求められていることに興奮しているのを自覚して……。