第1章 はじめて(銀時 強引)
薄手のバスローブを羽織っただけで、わたしはベッドの上に座っていた。
シャワーの音が聞こえる。
どうせ脱ぐことになるんだから、意味のないことかもしれないけど、腕を通して、ひもをきつめに絞めている。時間を稼ぐために、髪はまだ乾かさない。タオルを頭にかけたまま、じっとしている。
シャワーの音が止まった。
今だ。
わたしは、急いでドライヤーをつけた。
「おーい、なんで服着ちゃってんのー?」
腰にタオルを巻いただけの銀さんが、現れる。ほとんど裸のその姿を見て、一気に体の熱があがった。とっさに壁の方を向いてドライヤーで髪を乾かす。
タオルの下は、もうソレなのかな。
「銀さんシャワーあがるの早いね」
「だから一緒に入りゃよかっただろ? 洗ってやるっつったのによお」
「な、なにいってるの、もう」
か、髪、乾かしたあと、どうしよう。
そだ。銀さんの髪も乾かしてあげて、そのあとは……
ふわっと、お腹に腕がまわされた。
後ろから、やわらかく、抱かれる。少し湿った、あたたかい感触がぴっとりと背中にあたる。
「んなにビクビクすんなって」
ちゅ。っと、首にキスをされた。
ちゅ。ちゅっ。
「か、かみ、髪、乾かしてないから、まって……」
「…………やってやるよ」
「え、ちょっと」
ドライヤーを奪われ、後ろから、ファサファサと髪を触られる。
やさしい手つき。美容師さんみたい。銀さん上手……。
「はーい完了」
「銀さんの髪もかわかしてあげるね」
「ああ、いいってオレのは。もう乾いたしよ」
「ええ、でも……」
「いいの。ホラホラ」
「わあっ///」
抱きかかえるようにして、銀さんは胡坐をかいた脚の上にわたしを座らせた。腰が抜けたみたいに、足に力が入らない。ぺったりと座り込むわたしを、銀さんが、ぎゅっと抱きしめる。