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短編2

第1章 はじめて(銀時 強引)


 薄手のバスローブを羽織っただけで、わたしはベッドの上に座っていた。

 シャワーの音が聞こえる。
 
 どうせ脱ぐことになるんだから、意味のないことかもしれないけど、腕を通して、ひもをきつめに絞めている。時間を稼ぐために、髪はまだ乾かさない。タオルを頭にかけたまま、じっとしている。
 
 シャワーの音が止まった。
 
 今だ。
 
 わたしは、急いでドライヤーをつけた。

「おーい、なんで服着ちゃってんのー?」

 腰にタオルを巻いただけの銀さんが、現れる。ほとんど裸のその姿を見て、一気に体の熱があがった。とっさに壁の方を向いてドライヤーで髪を乾かす。

 タオルの下は、もうソレなのかな。

「銀さんシャワーあがるの早いね」

「だから一緒に入りゃよかっただろ? 洗ってやるっつったのによお」
「な、なにいってるの、もう」

 か、髪、乾かしたあと、どうしよう。

 そだ。銀さんの髪も乾かしてあげて、そのあとは……

 ふわっと、お腹に腕がまわされた。

 後ろから、やわらかく、抱かれる。少し湿った、あたたかい感触がぴっとりと背中にあたる。

「んなにビクビクすんなって」

 ちゅ。っと、首にキスをされた。

 ちゅ。ちゅっ。

「か、かみ、髪、乾かしてないから、まって……」
「…………やってやるよ」
「え、ちょっと」

 ドライヤーを奪われ、後ろから、ファサファサと髪を触られる。

 やさしい手つき。美容師さんみたい。銀さん上手……。

「はーい完了」
「銀さんの髪もかわかしてあげるね」
「ああ、いいってオレのは。もう乾いたしよ」
「ええ、でも……」
「いいの。ホラホラ」
「わあっ///」

 抱きかかえるようにして、銀さんは胡坐をかいた脚の上にわたしを座らせた。腰が抜けたみたいに、足に力が入らない。ぺったりと座り込むわたしを、銀さんが、ぎゅっと抱きしめる。
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