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〜泡沫〜《BLEACH》

第8章 〜奇蹟〜



目を覚まして、辺りを見回して。

そう言えば創った洞窟に人を集めて修行させてたな、何て事を思い出し。

体感時間では一日は優に経っている事に気付いて、同時に自分の空腹にも気づく。


「…寝た気がしねぇ」


珍しく目覚めの悪い冬獅郎の腕から抜け出そうとして。


「冬獅郎。離して」


「…嫌だ」


何故か抱き締めたまま、離そうとしない冬獅郎に眉を下げる。


「ご飯作らなきゃ。皆倒れちゃう」


「…そんなに時間経ったか?」


ここは日が昇らないから。

人の体感時間を狂わせるのかもしれない。

私の感覚は機能しているから、例は彼しか居ないけど。


「もう一日は経ってるよ」


「…分かった」


渋々頷いて身体を起こした冬獅郎が、首を傾げる。


「…霊力、戻ってるな」


「言ったでしょ?霊子の濃度上げてるって。個人の変換速度にもよるけど、普通より戻りは早いの」


成る程なと頷く彼と共に、調理スペースへ移動する。

冷蔵庫には、予め創っておいた食材。

因みに冷蔵庫なんてもの、尸魂界にはそうそうない。

電気が通っていないから、動力は霊子による自家発電。


「そんな物まで創ってたのか」


最早呆れすら通り越している冬獅郎は、一々突っ込みは入れてこない。

黙って材料を取り出して、包丁を握る彼に、私が突っ込みを入れたくなるぐらい。


「冬獅郎。私が作るから、白哉と浮竹さん見てきて?序でに皆も」


「他は序でか」


呆れた様に息を吐くも、大人しく調理場を出て行く冬獅郎を見送って。


「よし」


私は現世に降りた時に取得した調理データを引き出した。


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