第8章 幼馴染は陰陽師です。 宮地Ver.
「待ってて偉かったな」
あの後教室から逃げるように屋上へと逃げてきた。
きよが本格的に人に扮した妖怪を封印したからだ。
かなり注目を浴びた。
それと同時に腕に抱かれていた自分も恥ずかしくなり、手を引いて走るように出てきた。
屋上にいたのは、バスケ部の仲間たちで。
きよは迷わずお札で作ったボールを思いっきり高尾くんに投げつけた。
「いったぁああ!!!」
痛みで叫ぶ高尾くんを無視して、さらに奥側へと歩ききよは私を後ろから抱きしめながら地面へと腰掛けた。
こうなっては、私以外の人の声は聞こえない。
確認に来た木村さんに頭を下げて首を横に振った。
了承したらしい、片手を挙げて離れてしまった。
「うーん。
たぶん、緑間くんだったらついて行ったかもしれないけど」
「あぁ…」
「きよに止められても高尾くん。
名前で呼んでくるのに、今日は呼ばなかったから」
「…なるほど。
確かにそれは違和感を感じるな
そうなると、少しあいつには感謝だな」
深くため息をつく、きよに背中を預けた。
やっぱり安心するのは、きよらしい。
ふふ…と笑うと、彼も笑みを浮かべたらしい。
背中から感じる揺れに目を閉じた。
幼馴染は陰陽師です。
((いつ、こいつに告白するか。幸せそうな笑みを浮かべるのを見ていると、ずっと守ってやりたい。俺が守る理由は呪いだけじゃなく、好きだと意味も伝わって欲しいのに)肩に顔を埋めながら目を閉じた)