第7章 私が、金髪軍服の男に(わざと)ぶつかった話
「で?俺をお前の部屋にでも飾ってくれんのか?」
「そうだな。目だけ見えるようにして、ベッドサイドに飾ってやろう。悶えると良い。」
「うわー。趣味悪。」
悶える?悶える?!
「っと。じゃ、エド。またあとで。彼女を医務室に連れて行かなきゃ。」
「おう。お前の部屋で待ってるわ。」
後ろ手に手をふっていなくなる赤コート。
や、やっぱり同じ匂い!!!
「ドクター。」
「んだ。まぁたお前か。前見て歩け。あいつのことばっかり考えて歩いてんじゃねぇぞ。」
「はは。ばれました?」
「のろけんな。どっかいけ。」
「じゃ。頼みます。」
んんんん!!?
や、やはり付き合っている人がいるのか!
どうしよう、行ってしまう。
今ここで告白すべきか、また後日「助けてくださってありがとうございました。私を好きにしてください。」「うへへへ。じゃぁ、いただきます。」とかいう展開を期待して、彼の部屋を訪ねるか!
「じょうちゃん。なに百面相してんだ。」
「ひゃ!あの!大佐には付き合っている人はいるのでしょうか!」
ば!と顔を上げるが彼の姿はどこにもなかった。
代わりに答えてくれたのはドクターだ。
「あん?まぁ、お前らの望みは薄いだろうな。女にゃ興味なさそうだぞありゃ。」
「え?どういう。」
「どうもこうも。いっつもエドワードとかいう男と居るじゃねぇか。そういうことじゃねぇの?」
んぇええええええええええ!!!!!
私。
完敗。
(もう終われ。)