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七色の雫 短編

第4章 私が、金髪軍服の男にぶつかった話



あ!そうだ。
入隊式の時、壇上で演説をしている人の横に立っていた、ものすんごく綺麗でカッコ良くてドキュン!ってなった人の声だ!
パン!バヂバヂ!と衝撃的な音が聞こえた後に、後ろの男の人(ものすんごく綺麗でカッコ良くてドキュン!ってなった人)が私の手を取って何処も壊れていない眼鏡を置く。

「はぇ?」
「錬金術で直したの。ごめんね、エドワードが。」
「はぇ、いえ。その…」

いつもの流れで眼鏡をかけて顔を上げる。
クリアになった視界に映ったのは、ドアップのものすんごく綺麗でカッコ良くてドキュン!ってなった人の顔。

「はわぁあああ!」
「あはは。君、大丈夫?」
「あだだだだ大丈夫ですう!!」
「ホントに大丈夫かよ。やっぱ頭打った?」
「う、う、う、うってませぇえ!?」

私と衝突した男の人の方に視線を向けると、こちらもイケメンの男の人。
夢か!夢なのか!
ほぎゃぁ。

「ホントに打ってないか?」
「はい!はい!大丈夫です!すみません!すみません!」
「元気だねぇ。じゃぁ、僕達忙しいから行くね。医療費請求するなら、エドワード・エルリックにお願いね。」
「エ、エドワードさん……」
「けっ。部下の失態を尻拭いすんのが上司だろ?てっかビーネが変なこと言わなきゃ俺は前見て歩いてたっつうの。」

私の前で互いに顔を突き合わせ、喧嘩?を始めてしまった二人の男の人。
あぁ。
これは、一人の女を取り合う男の図。

「え。なに、僕の所為?今夜空いてる?って?変な想像しないでください。」
「はぁ?し、してねぇ!」
「すんなよ。ただの仕事の話だよ。」
「仕事かよ!」
「仕事だよ!」

し、しかしだ…会話の内容が、ががが。
お、おいしい!!!!

「仕事だけど。その後ゆっくり飯いこ。たまにゃ休まないと過労死が見える。」
「あいよ。っと、ぶつかって悪かった。眼鏡、悪かった。」
「そうそう、エドワードが全部悪い。」
「はぁ?!」

怒るエドワードさんを宥めながら、困った顔を私に向けてバイバイと小さく手を振る、ものすんごく綺麗でカッコ良くてドキュン!ってなった人…ビーネさん。

「ビーネさん…。」

あぁ、神様。
このアメストリス軍部は天国です。
一生ここで働きます。



私は 未知の扉を 開けた。



青い軍服に長い金髪は、ダメ絶対。

「あ、鼻血が。」



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