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七色の雫 短編

第3章 俺だ。私だ。うるさいな、僕だろ。



「…っしゃーねーな!ったくよ!」

パン!と両手を合わせる音が会場に響き渡る。
じゃばじゃば。と水が暴走する音が聞こえ、それは激しい濁流になって、焔の錬金術師ロイに襲いかかった。

「がぼっ!うぷ!きさま!水攻めとは卑怯だぞ!ぺっ!」
「なぁにが卑怯だ!僕は水煙の錬金術師だ!」
「蒸発させてやる!」

手袋の使えなくなったロイは意地で地面に錬成陣を書き、水を蒸発させた。
してやったり。とニヤニヤ笑うロイ。
しかし、ポツリポツリと上空から雨が降ってくる。

「ロイ。僕は雲だって作れる。雨を降らす事もお手の物さ!」
「く!お手上げだ…きさまの方が一枚上手だったようだ……。」

その場に倒れるロイ。
すると、倒れたロイの後ろからラスボスのようにエドワードが登場する。

「よくもやってくれたな!」
「なんなんだよ!何でちょっと劇場型になってるんだよ!」
「次はこの俺が相手だ!覚悟ぉお!」

拳を握ってビーネに突っ込んで行くエドワード。
逸らし逸らされ、殴り殴られの肉弾戦が始まり、観客の男どもが盛り上がる。

「こらぁ!エドワード!俺のハニーの顔に傷なんか付けたらしょーちしねェからな!」

マイクを握り締めるマースの声が会場全体に響き渡る。

「そいじゃ、一気に決めてやるぜ!」

両手を合わせて錬金術を使うエドワード。
ビーネに向かって飛んでくるのは、檻。

「捕まってたまるか!」

逃げるビーネ、追うエドワード。
しかし、観客からブーイングが上がる。
派手にやれー!つまんねーぞ!

「ビーネ覚悟おおおお!」
「んだと。やってみろ!」

エドとビーネの錬金術がぶつかり合う。
ぼふん!と爆発が起こり、会場が静かになる。

「……ハニー?おーい!二人とも無事かー?」

マースの声が会場に響き、雲が晴れる。

「うお!おぉお!勝者は……俺の息子ビーネ!!!やっぱな!そう思ってたぜ!」

ビーネは、ぐ!と拳を上に付きあげ勝者は自分だと見せつける。

「くそ、やっぱつえぇなビーネ。次は負けねぇ。」

ガク。と力尽きるエドワード。
会場からはビーネのコール。
このアメストリスのナンバーワン錬金術師はビーネ・ヒューズだと証明されたのだ!
強いぞビーネ!さすが、水煙の錬金術師!

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