第11章 華の前世
再び300年の時が過ぎた。
生まれたのは瑠璃色瞳の女の子。
私は警告しようと彼女が10歳になったときにシルラ宮殿に呼び寄せた。
だがその1年前。
リオ一族は海賊の襲撃にあった。
気味の悪い一族とされて。
彼女は傷心していた。
呼び寄せたときに、彼女の傷ついた心に付け込んだ琥珀の涙。
彼女の心は食われかけた。
だが、彼女の中に、別の意志がある。
それが守り、完全は防がれた。
数年前に翡翠の血を盗んだ男はいとも簡単に食われたのだと言うのに。
それでも彼女の目は琥珀色に変わってしまった。
「終わらせる。」
海賊の襲撃を受けてしまったリオ一族。
不要。
穢れ。
罵られた。
錯覚した彼女は滅ぼしてしまった。
感情をコントロールする琥珀の涙。
彼女は自我を持てていなかった。
私は警告として月を作り上げた。
真っ赤な血のような満月を。
それでも彼女は時折琥珀の涙に操作された。
自分を死に導いて、いった。
そう。
あなたよ。
ラーラ、あなたは私の生き写し・・・。