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炎の月に架かる虹【ONE PIECE】

第10章 華の行動


アーシャの部下に撃たれた右肩からは、止め処なく血が流れ出る。
押さえても止まらない。
痛みで顔を歪める。


「どうしたんだよ。立って戦うんでしょ?」
「アーシャ…なんてやつ」
「戦うか、僕に殺されるかどっち?」
「もちろん…」


ラーラは立ち上がって琥珀の涙を左手に構えた。
その顔は痛みで歪んでいたさほどとは違い、不敵に微笑んでいる。


「戦うに決まっているでしょう。」
「さすがは僕のラーラちゃん」
「はぁ?私はあんたのモノなんかじゃない。私は誰のものでもない!」


_俺のヤドリギ_


「アンバイド!!もう、死にたいなんて思わないから。」


_いいさ、またお前に漬け込めばいい_


ラーラは今の琥珀の涙の言葉に怒った。
剣を逆さまにしてこう言い放った。


「終わりなさい!」


バリィン


柄の琥珀の塊を地面に叩きつける。
柄の先端についた琥珀の奇石が砕けた。
アーシャも驚いて見つめている。
スゥッーと何かが抜ける気がして体が軽くなった。


「さようなら。」
「呪いを断ち切ったってこと。」
「私は誰にも支配されない。」


長い呪縛から解放されたラーラの瞳が変化していた。
琥珀の涙にとり憑かれ、琥珀色だった瞳は、瑠璃色になっている。


「やはりキミはエリズィエラの生き写しか。」


ラーラは傷ついた右手を、懐に忍ばせる。
奇石の割れた剣をアーシャにあてつけのように突き出した。


「ここまでの送迎どうもありがとう。」
「何言って…」


ダァン


響く銃声。
ラーラの手にした銃の銃口から煙が上がった。
その表情は翳っている。
脇腹を押さえて倒れこむアーシャ。


「ラーラ…ちゃん?」
「リオ一族はたとえ半分だろうと絶えてもらう。従兄弟を殺すのは簡単。私は親も兄弟も殺したの。」
「キミが…そんなことできるのかい?」
「できるんじゃなくて、やるのよ。」


アーシャの落とした翡翠の血を手にして首元にあてた。
震える翡翠の血。
残酷なほどに光るラーラの瞳。


「全てを背負って、」
「ヤメるんだ!!」

















「死になさい。」




剣は喉元を貫いた。
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