第10章 華の行動
「お願いよッ!!」
_無駄無駄無駄!!_
私の苦しみは一体何だったの?
あんなに傷ついて、泣きながら奪った記憶。
全部無駄になってしまった。
「あぁぁ…」
なんてことを。
私は逃げなくてはいけない。
サボからも逃げなくては。
愛からも、何もかもが私に牙を向く。
「イヤァァァァァァァッ!!!」
早く着いて。
「ラーラ、中将殿がお呼びだ。」
「着いたの?」
「あぁ。」
部屋から出て久々に日光を浴びる。
3日ぶりだ。
ラーラはアーシャに会った。
「さて、どうする?」
島に上陸できる距離。
懐かしい故郷。
「僕も何年かぶりだよ。」
「ッ!?お前、来たことが…」
「何言ってるの?」
「おい!早く行くぞッ!!」
「そうよみんな急いで!!」
遠征は急遽捜索に切り替わった。
何らかの理由で忘れていたラーラを見つけるため。
「航海士!シルキーズフォレストを知っているか?」
「えっ、総長、あんなところに行くんですか!!?」
「そこに向かってんだ。」
アーシャの口から出た言葉に驚いた。
「僕たちは従兄弟同士じゃないか。」