• テキストサイズ

炎の月に架かる虹【ONE PIECE】

第9章 華の居場所


「はぁ…寝れるわけないよ。」


部屋の小窓から月を眺めるラーラ。
元々隈はできにくい体質だからよかったものの、こんなに寝ていなければさすがに隈ができる。
眠ろうとしても目が覚めてしまう。


「どうしよ…」


何も術がなく、夜風にあたることにした。
音を立てないようにそっと外へでる。
肌寒いくらいの風がラーラを包んだ。


「半月なのにこんなに明るい。」


星も空で煌いている。
天体をよく観察するラーラ。
だから熱中して見れる。


「星、綺麗…」


やはりどうしても好きになれない月。
あの赤い月を見てしまえば誰もが嫌いになるはずだ。
取り繕った美しい表面。
裏側はあんなにも恐ろしい。


「私はいつここを…」


出ればいいんだろう。
タイミングが分からない。
だが引き伸ばせばその分辛くなる。

ガチャッ

扉が開く音がして振り返った。
そこには既に寝癖がついたサボがいた。


「寝ないのか?」
「寝れないの。」
「空見てたのか?」
「うん。」


青白く光る月はラーラの髪色にそっくりだった。
反対に満月の夜はサボの金髪のような色をする。
光陰というべきか。


「全部…終わらせなきゃ」
「まだ、ゆっくりでいいんじゃないか?」
「ダメなのよ…こうしている間にも、琥珀の涙は私の意思を喰っている。」
「触ってなくてもか?」
「一度とり憑かれたら時間をかけて侵食する。」


アーシャは完全にやられたんだ。
翡翠の血に負けて狂ったんだ。
自分をなくして、強さでしか全てを示せないようになったんだ。

暗い顔をして俯いていたら・・・


「なぁ。」


サボの腕の中に攫われた。
/ 93ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp