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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



風呂上がり。
何気なくアキが言う。

『一人だと、
ついシャワーで済ませちゃうけど…
黒尾さんがいる日はお湯、溜めるから
つい長風呂しちゃうんですよね~。』

…だよな。
自分のためにやらないことも
誰かいるとやれる、ってこと、あるよな。
あぁ、クソ、転勤のこと、
言いづらくなってきた…




テレビを見ながら二人で鍋をつつく。

『あったまるなぁ。俺、冬は毎日、
鍋でもいいくらいだ。』

『鍋はやっぱり、一人より
誰かと食べた方がおいしいですよね。』

…だよな。
やっぱ鍋は、一人より二人だよな。
あぁ、言いづらい…



『あ、リンゴ、食べません?』

『食べる、食べる。』

『リンゴって、一人だとわざわざ
剥かないんですよね…二人だと
一個でちょうどいいから剥くけど。』

…だよな。
リンゴも、一人より二人だよな。
あぁ、ますます言いづらい…



テレビのクイズ番組。
二人で答えを当てながら見る。

『あー、はずれたぁ!』

『これ、問題作ったヤツ、
多分、相当、性格悪いって(笑)』

…一人だったら、
帰ってから一言もしゃべらない。
二人だから、テレビも楽しいんであって…

なんで今日に限って
こんなに"一人より二人"な
キーワードが続くんだよ?!



『黒尾さん、ちょっと、
心がここにない感じですけど?
…何かありました?』

アキに隠し事なんか、出来ない。
俺より俺のこと、わかってるんだから。

言わねーと。

『あのさ、』

何から話せばいいんだろ?

…迷っていたら、
彼女が、テレビをパチンと消した。

静けさが、
痛い。

『もうすぐ、春、じゃん。』

『そうですね。』

『忙しい?』

『え?まぁ、繁忙期ほどではないけど…
人が異動するから、
少し慌ただしい、ですかね。』

だよな。

…黙って、俺の言葉を待っている。
こういうところも、居心地よくて。
いや、今は
そういうことを考えてる場合じゃない…

『俺さ、異動になりそうだ。』

『…そう、ですか。どこへ?』

『多分、九州支社。』

『あら、それじゃ焼酎が…』

そう、くるか(笑)

『そうそう、焼酎、たくさん飲めるからさ、
…一緒に、来ねぇか?』

『引っ越しの手伝い?いつ?』

『いつ…じゃなくて、ずっと。』

『…ずっと?』

『うん。…一生。』

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