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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



午後の仕事は
"急いで終わらせなきゃ"
…という気持ちと

"聞きたくない話だったらどうしよう"
…という気持ちがまだらになって

集中できなかった。

夕方、もう一度、
黒尾さんからメッセージが入る。


"おでん屋で先に飲んでる。
急がなくていいから
仕事、ちゃんと終わらせて来いよ。"


大丈夫、だよね。
優しい文章だもんね。

『電話、どーかした?』

『え?』

『今日の早瀬、えらい何度も
スマホ、なで回してるから。調子悪い?』

普通にしてるつもりなのに、
あの?!夜久君にすら、
異変を察知されるとは…

いけない、いけない。
平常心、平常心…

『あ、そうだ、夜久君、そういえば
この間のお二人のことなんだけど…』

話をはぐらかして。

仕事はきちんと終わらせて、
一人、あの店に向かった。

…帰り道、私、ここで泣いてませんように…

はい、すみません。
やっぱり、不幸癖が抜けてない、です。

灯りのともった店。
背筋を伸ばして。
さぁ、シャンとして行こう。
どんな話でも、ちゃんと聞く。

カラカラカラ…

『こんばんわ~。』

『お、来た来た、いらっしゃい!』

大将の明るくて大きな声。
その前で…楽しそうに飲んでる黒尾さん。

あ、悪い話じゃなさそう。
目の前の二人を包む雰囲気は、
暖かいオレンジ色に見えた。

『なーにボンヤリしてんの、
はい、黒尾さんの隣、座んな。』

前に来たときと同じ、
カウンターの壁際に座る。

『急に呼び出して、ごめんな。
…どーした?何か、疲れてねーか?』

『いえ、ホッとしたら気が抜けた…』

カツン。
大将が、私の前にグラスを置く。
他のお客さんに聞こえないように
小さな声で言葉を添えて。

『あんたら、うまくいったんだってな。
いやー、よかったじゃねーか。
これ、俺からのお祝い。
…あんたのオススメ、気に入っちまって
俺の店飲み用に置いてんだ。』

嬉しい。
気に入ってもらえたこと。
黒尾さんと私のことを喜んでくれること。

おでんを頼んでから
カチン、と黒尾さんとグラスをあわせて。

『…あの、話、って何ですか?
気になって気になって…』

『そうそう、それ。
それ、ちゃんと話し合わねーと
始まんねーな、と思って。
ゆーべ、聞くつもりだったけど
あんた、眠っちまったから。』

…な、に?


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