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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



風が気持ちいいベランダへ。

この間と同じように
スリッパを左足だけはき、
炭酸水で体の中を洗い流して一息。

彼女の電話からこの数時間で
物事は大きく動いた。

つい先日まで
こんなことになるとは思ってもみなかったし
そんなつもりもサラサラなかったけど、

今となっては全てが
俺たちをここに向けて
後押ししていたように思う。

最初の出会いの時…
婚活パーティーに俺を呼んだ、
研磨と夜っ久ん。

猫又監督の命令がなければ
彼女を送ることもなかったし
それがなければ
トーコ夫婦に会うこともなかった。

大将にも相当、後押しされたし、

…言葉は悪いかもしんねーけど…
彼女を悲しませた過去の男達が
彼女と結婚しないでいてくれたことも
今となっては感謝したいくらいだ。

"運命"とかそんな大袈裟なもんじゃなく
小さな力に少しずつ背中を押されて
ここまで来た気がする。

大将の言葉を思い出した。

『彼女を構うなら、最初から真剣にいけ。』
…真剣。結婚を前提に、ってことだと。

派手ではない。
男好きするタイプでもない。
だけど…だから、か。

俺だから、
彼女の良さをわかってやれる、と
今は思う。

ドン底だった俺を何度も救ってくれた
彼女の男前な行動。

俺にだけ見せてくれた
彼女の女としての悲しみや喜び。

思いきり愛すことの出来ない恋に
傷付いた経験を共有できることも。

一人でいることが苦にならない性格も。

人のためには頑張れるのに
自分のことは後回しにしてしまう
お人好しなところも。

俺達は
似ているところもたくさんあって

他人事とは思えないんだよな、
なんとなく。

…さすがに今、結婚しようって言うのは
あんまりだと思うから、やめておく。

けど、
俺の心は、
そのくらいの気持ちだった。

大事に、誠実につきあってたら、
きっと、自然とそんなタイミングが
訪れるんだろう。
なんの根拠もないけど
それは間違いないと思う。

…そんなことを考えていたら
コップ片手の彼女も
右足だけスリッパをはいて
ベランダへ出てきた。

無言で
ペットボトルとコップをあわせて乾杯…
酒のみの習慣?(笑)

いろいろ話したいことはあるけど
なんとなく自分の気持ちを
言葉にできなくて。

しばらく黙って暗い景色を見ていた。
…おだやかな気持ち、だった。

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