第17章 本当に大切なこと
美琴side
布団に籠城しちゃったお父さんを
優輝が見事に説得してしまった。
家族の私たちですら、大変なのに(笑)
そして、もうひとつ驚いたのは
優輝が婚姻届を持っていたこと。
最初から承認者のところに、両家の親の
サインを貰おうと思っていたみたい。
私が驚いているのに、お母さんが気がついて
「美琴、知らなかったの」と笑い、
「早く自分が書かないといけないところを
書きなさい」とお父さんに言われた。
あんなに頑なだったのに、すぐに優輝を
気に入って、調子がいいんだからと思った。
それから、すぐに優輝の実家に行ってから
承認者のサインをもらって、出しに行くこと
なった。
今度は、私が緊張する番だよ(>_<)
私が緊張していることに、優輝が気がついて
「美琴、前にお袋と妹に会ってるよな?」
「まぁ、親父とは会ってないけどさ!」
「反対されないって分かってるから、
そんなに緊張しなくてもいいんじゃないの?」
と言われた。
「でも、あの時はまだ付き合ってなかったし
結婚をするとなるときちんとしたほうがいいと
思うし」と焦ってパニクってると、軽くキスを
されて、
「落ち着けよ、大丈夫!!」
「美琴の良さは繕わなくてもみんな分かるから
自然体で横に居てくれたから大丈夫!」
「でも、学校を継ぐことになるともしかしたら」
と言っていると、路肩に車を停めて
優輝が抱きしめてくれた。
「大丈夫、全部伝えてるし」
「電話でプロポーズすることを伝えたら
逆に俺が美琴をもらうのはもったいない
って言われたから(笑)」
「俺の隣で笑顔で居てくれるだけで、俺は
頑張れるし、癒されるから!」
「俺の実家に行っても隣で笑顔でいてくれれば
大丈夫!」と力説されて、ちょっと安心した。
その様子を見て、優輝はゆっくり車を発進
させて、私の好きな曲を流してくれた。
でも、聞いてる余裕はなくて、少しすると
優輝の実家に着いてしまった。
そして、優輝が助手席のドアを開けてくれ
出ようとして、転けそうになった(>_<)
そんな私を抱きしめて、手を繋いでくれ
玄関のチャイムまでたどり着いた。
顔が強ばっていたのが、優輝がおでこに
キスをしてくれて
「深呼吸して、10数えたらチャイムを押す
から」と言ってくれた。