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恋愛っていいことなの?

第16章 目を冷まさない大切な人


涼介side

まさか美琴が優輝を忘れてしまうとは思わな

かった。

そして、美琴に優輝との関係を教えると

パニックを起こして倒れてしまった。

それから、美琴は再び眠りについてしまった。

優輝はそんな美琴を寂しい顔をしながら、

いとおしそうに見て、話しかけていた。

その姿を見て、俺は切なくなった。

もしかしたら、俺が優輝の立場になってた

かもしれない。

美琴が1度起きて、また眠り始めて3週間が

経った頃、優輝が退院する日を迎えた。

文哉や要と俺が迎えに行くと、優輝は

「美琴、俺の事を忘れててもいいから

お願いだから、起きてくれよ!!」

と必死に訴えていた。

俺たちは、開いたドアの前で立ちつくすしか

出来なかった。

どんなに辛い身体のリハビリでも根をあげな

かったあいつが、苦しんでいる。

俺は言葉が見つからないまま、優輝の肩に手

を置くしかできなかった。

すると、優輝がいきなり

「美琴、聞こえるのか?」と問いかけ始めて

様子を見ていると、美琴が目を開けた。

びっくりしたけど、

「美琴、大丈夫か?」と質問すると、

「うん、ごめんね 心配かけてしまって」

と答えた。そして

「優輝、ずっと話しかけてくれてありがとう」

「ずっと暗闇の迷路の中にいたけど、優輝の

お陰で出ることが出来たよ」

「一時的にでも優輝の事を忘れてごめんね」

と優輝の頭を撫でながら、弱々しい声で

言った。

優輝は、涙でぼろぼろの顔をしていた。

そのやり取りを見ると、二人の絆を感じて

目をそらしてしまった。
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