第16章 目を冷まさない大切な人
優輝side
美琴が俺を忘れていることが、耐えられな
かった。
でも、それ以上に美琴の笑顔がみれないこと
のほうが悲しかった。
だから、毎日 美琴に話しかけていた。
なにかの拍子に起きるかもしれないと、淡い
期待をもっていた。
でも、俺が退院するまで美琴は起きなかった。
どんなに苦しいリハビリも耐えられたのに、
美琴が起きないことが腹立たしかった。
だから、眠っている美琴に怒鳴ってた。
それがあいつらに見られているとも知らずに。
でも、そのお陰で美琴が起きてくれた(><)
起きると俺の事も思い出してくれてくれて、
涙が止まらなかった。
俺はカッコ悪いと思いながらも、美琴に抱き
ついていた。
すると、あいつらも一緒になって抱きついた(笑)
それから、美琴のお母さんと理事長さんも
病室にきた。
美琴のお母さんは、美琴の顔をみると
「バカ娘、みんなをこんなに心配させて」
と泣きながら頭を撫でていた。
理事長さんも優しい目でその様子を見ていた。
とても微笑ましい様子を見ていると、上司が
やってきて
「優輝、七瀬さんが目が覚めてよかったな」
「七瀬さん、すみませんが」
「七瀬さんの体調が良くなったら、事情聴取
をさせていただくことになります」
と伝えた。
そして、俺に病室から出るように合図をする。
廊下に出ると、上司は
「優輝、お前にはもう少し入院してもらうぞ」
「まだ、七瀬さんを狙ってるやつがいるかも
知れないんだ」と言った。
「誰が狙ってるんですか?」
「やっぱり美琴が学校を相続するのを良く
思ってない人がいるんですか?」
と俺が問いかけると上司が静かに頷いた。
結局、美琴の調子が良くなるまで病院で警護
することが決まった。