第2章 再会
優輝side
久しぶりに美琴と飲み会で再会した。
彼女は大学時代より、生き生きしていて
綺麗になっていた。
涼介が「お疲れ様、先生」と言うと、
まさかの「お疲れ様 デザイナーさん、
締切は大丈夫?」という切り返しにはウケた。
俺が笑っていると、ちょっと顔を赤くして
美琴が俺を見ているので、声をかけよう
と思ったら、涼介の横の席に座ってしまった。
いつもそうなんだ。
涼介は、いつも美琴と一緒に居て、
面白いことをして、美琴を笑わしていた。
なんだかんだ文句を言いながら、二人は仲が
良くて、考え方や好きなものが似ていた。
そんな二人が大学時代から羨ましかった。
そして、美琴は社会の教員。
涼介はデザイナー。
二人とも自分の夢を叶えて、頑張っている。
そんな二人を見ていると、自分に自信がなく
なり、暗い気持ちになっていると、美琴が
「どうしたの?
優輝もしかしてもう酔った?」
とすぐに俺の変化に気がついてくれる。
「酔ってないよ、お腹がいっぱいなだけ」
と笑いながら答えると、
「優輝はなんか丸くなったね」と言われ、
「え、太った?」と訊くと、
「違うよ、雰囲気が柔らかくなった」
「昔は、人を寄せ付けないオーラがあった
けど、今は親しみやすい感じ」
と言われて考えてみると、今日はよく笑って
いて、その理由は美琴がみんなの変化に
気づいて、声をかけては温かい雰囲気を
作っているからだと気づいた。
それから、ずっと美琴のことが気になって
しょうがない。
涼介や要にからかわれている姿を見るのも
辛かった。
だから、突然 涼介が
「お前、彼氏は?」と訊いて、
「いないよ、半年くらいいないんじゃね」
と要が答えたのに、腹が立った。
俺が知らない美琴を要が知ってるのが
悔しかった。
美琴は何で俺が怒ってるのか理解できて
いなかったけど、彼女は超ど天然だから
しかたない。
でも、涼介も一緒になって怒っていたから、
涼介も美琴に好意があるのだろう。
そして、そんな俺たちを文哉は笑いながら、
見ていやがった((( ̄へ ̄井)