第122章 女にも性欲はある。
交戦から逃れた一人の団員が慌てた様子で玲央の元へと駆け付ける。
「団長!大変です!やたら強い二人が船主奪還に…!」
その報告を聞いた玲央は顔色を変えるどころか、眉一つ動かす気配はない。ニヤリと笑って団員に言葉を返す。
玲央「おーおー。やっぱりこの船にも乗ってたか、侍が。この間の借り、返してやらァ。」
「えっ。でもこの間の者達と一緒かどうかは…。」
玲央の発言を聞いていた側近の男は思わずツッコミを入れてしまう。それを聞いた玲央はハッとなり、少し頬を赤らめて言葉を返した。自分の早とちりに気付いたらしい。
玲央「う、うるせーよ!侍っつー事で連帯責任だ!!それより何より、俺の勘が言ってんだよ。この間の奴らだってな。」
「…まぁ団長の勘は結構当たりますけれども。」
流石は団長を務めるだけの事はある、とでも言うのだろうか。これまでの様々な死線から得た直感なのだろう。側近の男はそれ以上はツッコまなかった。二人がそんな話をしていると、その場に葵咲と土方が駆け付ける。
葵咲「あれは…!」
玲央達の存在に気付いた葵咲と土方は、足を止めて臨戦態勢に入る。葵咲達の姿に気付いた玲央は二人に目を向けた。
玲央「ん?なんだ、違ってたか。俺の勘が外れるたぁな。」
見た事のない二人の姿に少し残念そうな顔を浮かべる玲央。そう、葵咲達は萩の工場では玲央と接触していないのだ。
だがここで何かに気付いたように土方がハッとなって口を開く。
土方「赤髪に鼻絆創膏の昭和スタイル!近藤さんの言ってた奴だな。」
玲央「昭和スタイルは余計だァァァァァ!!」
勘は当たってた。関係者だった。その事に玲央は気付く。心に少しの傷を受けて。