第119章 一世一代の大勝負には全額を賭けろ。
総悟「それが出来なきゃ副長の座を俺に譲るってのはどうでぃ。」
土方「なんでそこで副長の座まで関係してくんだよ!!」
どさくさに紛れて副長の座まで奪いに来ようとする総悟。それには土方も冷静さを取り戻してツッコミを入れる。だが総悟は変わらぬ態度でため息を漏らした。
総悟「テメーの身の上すら把握出来ねぇヤローをこれからも上司として崇拝は出来ないんでねぃ。」
土方「これまでも崇拝された事なんて一回もなかったんだけど!」
むしろ下に見られてきた記憶しかない。総悟の都合の良い物言いに土方は苛立つ。だがそれには総悟は屈することなく言葉を返した。
総悟「とにかく、俺達が納得出来るだけの証言を集めて下せぇ。それとも…本当の理由聞くのが怖くて出来ない…とか?」
カチン。
最後の言葉が効いた。プライドをへし折られ、煽られた事で土方は態度を一変させる。
土方「んなわけあるかァァァァァ!やってやろーじゃねーか!後で吠え面かくなよ!!」
頭に血を登らせた土方は、総悟からの宣戦布告を受けてそのままズカズカとその場から去って行った。
土方の背を見送りながら、近藤は苦笑いを浮かべている。山崎は呆れながらも微笑を浮かべていた。
山崎「まぁ…結果的に焚き付けられた形になって良かった、ですかね。」
ある意味土方の背を押した形になったと言えよう。その言葉を聞き、近藤はふと総悟へと目を向ける。
近藤「それより総悟、お前はあれで良かったのか?」
総悟「?」
質問を受けて疑問符を浮かべる総悟。近藤が何を言わんとしているのか、その意味が分からずきょとんとした顔になる。そんな総悟に近藤は、言葉の意味をかみ砕いて説明する。
近藤「あいつらが結ばれる方向に持っていってやる代わりに副長の座を譲り受ける約束を取り付けりゃ、どっちかは手に入るんじゃねぇのか?」
総悟自らがキューピッドとなる事を請け負い、その報酬として副長の座を頂く。もしキューピッドとなれなかった場合には葵咲がフリーとなる為、自分が彼氏の座につける可能性が生み出されるという事だ。確かに近藤の言う算段を取れば、どちらも手に入らないという事態は免れる。