第7章 建前と本音
その状況に、鶴丸は何も言わないが不機嫌そうにしている。
「…本気になりかけていた、と言った所か?」
三日月が、横で綺麗な笑みを横で浮かべている。
鶴丸は、一瞬目を見開いたが、
「さぁて、どうだろうな。」
と、そっけなく返した。
「鶴丸殿。朝稽古と行きましょうか。」
小狐丸が、ニヤリと笑う。
それに対して、鶴丸は訝しげだ。
「小狐にしては、珍しくやる気だな?」
「私は全力で鶴丸殿を倒さなければならないな、と思っただけですよ。」
意味が分からないと、困惑の表情を浮かべる鶴丸に、
「我が主さまを誑かす輩は、この小狐が排除して差し上げますよ。…もちろん、加州を含めて。」
と、小狐丸は黒い笑みで返す。
その視界には、加州も捉えている。
何かを察知したのか、加州は寒気がして、辺りを見回した。
案の定だなと三日月が笑っている。
その状況に、ため息を付きながら、朝食が長引く事を鶴丸は願っていた。
春香はと言うと、山姥切に、首の所を虫に刺されたのなら薬を塗らねばと言われ、狼狽えている。
「いや、ちょっと寝てる間に掻きむしっただけかもしれないし!だ、大丈夫‼︎心配してくれて、ありがとね。まんば。」
声が裏返りながらも、なんと返事をしたので、ならいいがと言いながら、山姥切はまだ納得の行かない様子だ。
「あっ、私、堀川達の手伝いしてくるね!」
そう言って、山姥切から逃げ出し、堀川の手伝いをしに行ってしまった。