第7章 建前と本音
障子をがっと開けて中へ入ると、そのまま加州は勢いよく春香を抱きしめ、強引にキスをした。
「…っ!ミ、ミツ…?」
体を少し離して春香をじっと見つめている。
その目は、これまで見せた事がないくらい、熱が籠っている。
春香は、今の状況に戸惑っている。
「あ、あの…っ、ミツ、離して…」
「イヤだ。」
春香の心臓はドクンドクンと、うるさく音を立て始めた。
たまらず、目を逸らして、体を離そうと少し手で間を開けて逃げようと試みたが、今度は後ろから抱きすくめられてしまった。
「…ねぇ、こっち向いて?」
「ミツ…ダメだよ…」
その熱を帯びた言葉を受けて、更に高鳴ってしまった心臓の音が聞こえてしまいそうだ。
すると、加州はおもむろに、春香の着ている服のボタンを外して肩を露わにし、そこへ吸いついた。
「あっ…ミツ…何してんの…?」
「何って…キスマーク付けてんの。他の奴らに、簡単に気を許さない様にね。」
そう言いながら、違う所にも付けている。
その甘い痺れに、もがく力が抜けていく。
それを見逃さなかった加州は、春香を自分の方へ向かせ、さっきより深いキスをした。