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淡い恋 [刀剣乱舞]

第7章 建前と本音


案の定、二人は堀川に夕飯は要らないと伝えていた。
中々帰ってこない二人にそわそわして落ち着かない加州を、次郎が呼び止めた。

「加州じゃないか。何してんだい?」

どうやら、居間では次郎が何人かを捕まえて、酒を飲もうとしていた様だ。
太郎、和泉守、三日月に小狐丸がすでに捕まっている。

「いや、春香の帰りが遅いなって思ってさ。」

加州の言葉に、次郎が少し考えてから、ニヤニヤと笑い出した。
横では、和泉守が呆れた顔をしている。

「お前は、主の事になると本当に、過保護だなぁ。」
「皆はさ、心配じゃないの?」

加州がムッとして答えた。

「心配ですか…鶴丸さんが一緒なのですから、大丈夫では?」

太郎が不思議そうに返す。
横では、三日月と、小狐丸がなるほどと言う顔をしている。

「心配なら、始めから付いて行けば良かったではないか。」
「さっきまで、噂ってやつを知らなかったんだよ!」

そう答える加州に、三日月は困った様に笑った。

「…まぁ、本当に『何か』あり、主さまを傷つけた場合、この小狐が許しませんがね。」

小狐丸がぎらっとした目を見せる。
その状況にはぁっとため息をついたが、それを知ってか知らずか、次郎は加州を宴会の席へと強引に着かせた。

「まあ、心配ってのは分かるけど。そんなにうろうろしてたって、どうしようもないだろう?ここで待っていれば、確実にこの部屋の廊下を通るしかないしさ。酒でも飲みながら、待っていればいいじゃないか!さあ、飲め!」

次郎はご機嫌で、酒を注ぎ始めた。
そうなってしまっては、付き合うしかない。
加州は諦めて、春香達の帰りを待ちながら、酒を飲む事にした。
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