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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第25章 【パニック at the 文化祭 後編 その1】


一連の会話の間縁下美沙は頑張って聞こえないふりを貫き、教室の外では義兄の力が突撃しそうなところを成田に押さえられたままだった。
なおこの間伊達工の他の連中は離れた席で様子をずっと伺っており、滑津が美沙さんにあんなことばっか言って後で二口を殴るべきかしらと呟いていた。


という訳で何とか二口達の襲来も堪えた美沙は一旦交替で休憩の時間となった。だがしかし安息には程遠い。

「あれ、兄さん。」

ロリータ服のまま教室を出ると義兄の力、木下、成田、加えて影山がいる。

「先輩方もまだ居てはったんですか。」
「やーそれがさぁ」
「縁下が美沙さんが心配だっつって動かないもんだから。」
「ちょお、兄さん。すみません成田先輩。」
「俺はいいけど。」
「ただでさえ心配なのに青城が来るわ伊達工が来るわじゃ動ける訳ないだろ。」
「頼むから兄さん落ち着いたって。ほんで影山はどないしたん。」
「休憩で、な、なんとなく。」

言う影山は汗ダラダラ継続中、おまけに戸惑い全開の喋り方だ。そこへ噂の青城の連中と伊達工の連中もぞろぞろと出て来る。

「ヤッホー縁下君、今日も妹警備員お疲れ様ー。」
「及川マジお前黙れ。てか相変わらずだな、烏野6番。」
「ご無沙汰してます、皆さん。」
「わざわざ見張りまでしてよ、どこの物好きがこんな半分ボケに手ぇ出すってんだ阿呆らしい。」
「そういうけど二口君、今目の前にその物好きがいるから困ってるんだよな。」
「及川さん、今更ショック受けないでくださいよ手がかかりますから。」
「矢巾ちゃんまで何な訳っ。」
「二口もさっきから何やってんの、小学生じゃあるまいし好きなら好きってはっきり言ったら。」
「滑津お前ふざけんなっ。」
「落ち着けよ二口。」
「離せオバっ。」

廊下で面倒な事になりそうな気配、美沙がこらアカンと思い始めた矢先に

「あ、あのー」

困ったような笑顔で言ったのは美沙の義兄、力ではなく成田であった。

「ここだと他の人の邪魔になるんで移動しませんか。」

いつもなら義兄の力が機能する所を補った成田の言葉に取り急ぎその場の関係者全員頷いた。
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