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【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第15章 【どうしてこうなった】前編


その噂のシスコン兄貴こと縁下力は烏野高校で部活中に同じく練習試合の話を聞かされていた。自分が試合に入るかどうかはわからないけど気合を入れなくてはと思う。眠そうなどと無茶苦茶を言われる穏やかな顔にはそれが見て取れた。そうしてミーティングが終わって部活も終わったその時である。

「青城かー、うっしゃああの優男に一発かましてやるぜっ。」

部室で坊主頭の約一名が脱いだシャツを振り回している。大変邪魔だ。

「おうよ龍っ、磨き上がった俺のローリングサンダーをだな」
「間違っても技名叫ぶのはやめろよ、色々面倒臭いから。」

無駄に賑やかな田中龍之介と西谷夕に力は無表情で突っ込みを入れ、やられた2人は轟沈する。がすぐにガバッと浮上した。

「てかよ力、相手青城だったら美沙やべーんじゃねえか。」
「は。」

力は首を傾げる。何故に愛してやまない力の義妹が出てくるのか。

「何で美沙がヤバいんだよ。」
「だって及川って美沙んことつけ回してんだろ。」

人聞きの悪い表現だが生憎ハズレでもないのが問題だ。どういう訳か及川徹は関西弁で半分ボケで動画投稿者である義妹を気に入り隙あらば接触してくるのだから。しかし

「別にヤバくないだろ、試合に連れてく訳じゃなし。」

力は阿呆くさいと思いながらそう切り捨てる。するとやかましい奴らはキョトンとした。

「ああ、そっか。」

ああ、そっかではない。かなり間抜けな顔になっている田中と西谷を見て2年仲間の成田一仁と木下久志がブブブと笑う。呆れた力は更に突っ込んだ。

「何だって美沙も行くって思ったんだよお前ら。」
「わりわり、おめーんとこの妹ほぼ身内だと思ってっからよ。」
「何気に美沙が一緒に来る事多いしなっ。」

無駄に元気よく言う西谷に力は冗談じゃないと返す。

「これ以上美沙を他所へ連れ回す羽目になるのはごめんだっつの。すぐカオスになるしいい加減烏養さんに怒られる。」
「いや、」

ここで成田が聞き捨てならない事を言った。
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