• テキストサイズ

【ハイキュー】エンノシタイモウトこぼれ話

第15章 【どうしてこうなった】前編


細かい事は置いといてあの青葉城西高校がまた烏野高校と練習試合をする事になった。

「烏野と。」

青葉城西高校男子バレーボール部にて主将の及川徹は鸚鵡(おうむ)返しに監督に尋ねた。監督の入畑伸照はうむと頷く。

「せっかくの機会だ、活用しない手はないだろう。」

レギュラーのメンバーはやってやるぜと大変に気合の入った様子を見せ、入畑とコーチの溝口貞幸は結構な事だと思う。しかしここで彼らは選手らから妙な会話を聞く事になった。

「あ、ちょっと待てよ。」

最初に言いだしたのは花巻貴弘である。

「烏野ってこたままコんとこのシスコン兄貴来るんじゃね。」

入畑と溝口は固まった。一体こいつは何の話をしているのか。

「ああ、縁下君ですね。」

答えるのは矢巾秀、更に金田一勇太郎がハッとした顔をした。

「という事はまさかあの妹さんが」
「来る訳ないじゃん、むしろ来たらおかしい。」

阿呆臭そうに切り捨てるのは国見英である。ますます何の話かと首を傾げる監督達や他の部員を他所にレギュラーの連中は話を続けていく。

「ままコ、来ないのか。」

意外にも京谷賢太郎がボソリとしかし何となくつまらなさそうに言った。

「そりゃあ」

渡親二が穏やかに呟く。

「あの子は別にバレー部じゃないし。」
「キャラ立ってる割に溶け込んでるから忘れそうになるけどな。」

松川一静もうんうんと1人頷きだしとうとう及川が口を開いた。

「俺ガチで忘れてたくっそー、そーだよねーそりゃそーだよねー。」

主将自らも何をのたまっているのか。入畑は思わず岩泉一に目をやるが既に副主将は動いていた。

「こんの馬鹿どもっ。」

男前な副主将の怒声が響く。

「烏野ときーて監督らの前であの半分ボケの話する奴があるかあいつはパソコン部だろーが国見の言う通り来たらおかしーわ寧ろ来られてたまるかカオスになるわっ。特にクソ川てめー何ガチでつまんなそーな面してやがるっしゃっきりしやがれしゃっきりっ。」
「ややややめて岩ちゃんガガガガガクガクしないで気持ち悪くなる。」
「つー訳で大した事はないっす。」

岩泉は掴んでいた相方の襟首をバッと離して入畑と溝口に向き直る。監督とコーチはついていけないままそうかと呟くしかなかった。
/ 702ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp