第8章 吸血鬼
そして、今日も夢をみていた。
「また今日も血を飲まなかったのかい?このままだと死んでしまう」
「でも、、だって、人の血は吸いたくない」
「じゃあ、私がまた乗っ取ってあげるよ」
にやりと意地悪そうな笑顔を見せると、私の耳元でささやく。
「誰の血がいいかなぁ……大好きな優の血?大切な仲間の血?それとも、昔、君の血を吸ったミカ?でも、やっぱり、この体になってしまった原因でもあるグレンかなぁ……」
私は顔が青ざめていくのが分かる。
やめてという声さえもでない。体も動かない。
「明日まで待ってあげるから」
そんな声は、どこか遠くで聞こえた。