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終わりのセラフ

第8章 吸血鬼




数日後、私は退院することができた。
しかし、家に帰ってからの日々は地獄そのものだった。


一口パンをかじれば、その不味さに吐き気を感じて吐き出してしまう。
それだけじゃない、何も食べなければ強烈な空腹感を感じるだけでなく、無性に焦燥感にかられる。

シノアと三葉は時折、遊びに来てくれるのだけど、このドアを開けてしまえば、血の欲しさに襲いかかるかもしれない。
怖くて会うことさえ出来ない。

鏡を見れば、痩せ細り顔色も悪い。
こんな顔を見せてしまえば心配されてしまう。
だけど、このまま誰にも会わなくても心配されてしまいそうだ。

どうすればいいのか分からない。
だけど、人の血は吸いたくない。


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