第8章 吸血鬼
朝になっていた。
そして、目から大量の涙を流していた。
コンコン
病室のドアを叩く音が響く。
外から優が入ってくる。
「起きてたか、よかったよ」
そう言う優は1人で来ていた。
「気分はどう?気持ち悪くないか?」
「大丈夫だよ」
私は昨日の気分の悪さはどこかに消え失せていた。
優は首元のガーゼを剥がして、首元を広げる。
「みやび、飲め」
混乱する私。
あぁそうか。私は吸血鬼だった。
だけど、そんなの辛くて苦しい。
「飲めない」
それが私の答え。
「だめだ。飲むんだ」
優は私の口のそばに首を持っていく。
私の全身がそれを欲しがってるのを感じる。
でも、嫌だ。飲みたくない。
私は、優を突き放す。
「飲めないよ、、」
そう言って、私は優を病室から追い出した。