第8章 吸血鬼
しばらくすると、シノアが来た。
シノアだけじゃなくて、優も一緒に。
「みやびさん、これから本当のことを話します。信じたくなくても、、」
「大丈夫。私はどんな事実でも受け止めます」
私は決心した。
「よかったです。みやびさんは、私たちと一緒に戦ったのを覚えていますか?」
「う、うん?会ったのは覚えているけど、、」
「その後一緒に戦ったんです。みやびさんは鬼に体を貸して。
私たちはフェリドという吸血鬼を倒しました。家族を殺した吸血鬼です。だけど、その頃にはみやびさんの体は鬼そのものになりかけていて、、、」
「だから、グレンがみやびを殺した」
黙ってしまったシノアの代わりに優が強い口調ではっきりと言った。
「覚えてるか?ミカのこと。ミカと一緒に暮らしてたんだろ?ミカは吸血鬼になってたけど、、」
「覚えてる。私はミカと暮らしてたけど、みんなに謝らなくちゃいけないと思って逃げ出した」
「そっか、俺らが逃げたあの日、ミカはクルルとかいう吸血鬼に血を飲まされたらしい。そうして吸血鬼になった」
「ってことは、、私も吸血鬼の血を飲んだってこと、、?」
「あぁそうだ」
シノアはすっかり黙り込んでしまって、優が重い口調で話した。