第8章 吸血鬼
そういえば、、、
「シノアさん、これありがとうございます」
私は赤いリボンを取り出す。
「あ、いえいえ、持っててくれたんですね〜」
シノアは戦場でみやびの頭にこのリボンが付いてるのを見ていたからそんなこと知っていた。だけど、シノアたちは、みやびに戦場であったことを思い出させないようにするために、なるべく戦場のことを話さないようにしていた。
「あ、れ?なんで私リボン持ってるんだろう?いつ借りたっけ?」
みやびは覚えているはずがない。
鬼に取り憑かれて意識がほとんどなかったのだから。
「この前ですよ。練習中にみやびさんが髪が邪魔だっていうから〜」
シノアは誤魔化す。
1ヶ月も眠りから覚めなかったみやび。
その間にずっと、シノアたちは考えていた。
これからみやびとどう接するか。
悩みに悩んだその結果、普段通りに接するけど決して戦場であったことを話さないことになった。
もし、みやび自身が戦場であったことを思い出したりした時は、、、全てを隠さず話すしかないのだ。