第10章 記憶
そして、地図通りに道をたどって、、辿り着いた。
あの大きな門。
「みんな、一気に走っていくよ」
ミカの掛け声で一斉に走り出す。
そこまではうまく言っていた。
だけど、あの憎き吸血鬼フェリドによってその計画は台無しになった。
たった、一瞬の出来事。
優と私以外の家族を死に追いやった。
倒れるミカ。
駆け寄る私。
「ミカ!!ミカ!!!約束したじゃない!!」
涙が止まらない私。
「あ〜ら〜、悲しいお別れ。君も一緒に天国に行きたいかい?」
フェリドは、私の頬を触れる。
「みやびに触んな」
ミカはフェリドに向かって言う。
「ミカくんだっけ?君の血は美味しかったのになぁ。残念だよ」
「ふざけんな」
バァーン
銃声が響く。