第10章 記憶
「みやび?」
私を呼ぶ優しい声。
いつまでも私の名前を呼んでほしいと思った。
「私は大丈夫だよ」
涙を拭って、必死に笑顔を作ってみせた。
だけど、ミカは全部お見通し。
「僕の前では強がらなくていい」
そして、そっと抱きしめて優しく頭を撫でた。
「僕は何があってもみやびを見捨てないし、ずっとみやびの側にいる。だから、見捨てられるなんて考えないで、僕たちに甘えてもいい。それを僕は迷惑だなんて思わない」
やっぱり、ミカは全部お見通し。
隠そうとしてもばれてしまう。
「ミカ、、ありがとう。私もずっとミカの側にいたい」
私はそう伝えるとミカは優しくキスをした。