第10章 記憶
「みやびは、この世界から抜け出したいって思わないの?」
「え、、?あー、そんなことないんだけど、やっぱり怖くて」
「そうだと思った。だけど、大丈夫だよ。だって僕がいる」
ミカは、私のことを見つめている。
つい、逸らしてしまった目線。
肌寒い季節。
こんな季節のように、みんなは私に冷たくなっていきそうで、、
目を閉じれば、両親に見捨てられた時のことを思い出す。
そんな風に、私はまた見捨てられないかな。
優なんかは、今か今かと脱走の日を心待ちにしている。
ミカが持って銃を手に構え、吸血鬼を撃つ練習なんかしてさ、馬鹿みたいだけど、毎回ミカに怒られてさ。
私が嫌だといえば、みんなはいつまでも待ってくれるなんて、思ってたけど、そんな優しさ、、いつかは呆れて、、
じわりと涙がにじむ。