第10章 記憶
「みんなでこの世界から抜け出そう」
そう言ってから5日がたつ。
私が必死に嫌だといって何が何でも家から出ようとしなかった。
だって、嫌な予感しかしないし、何より怖い。
このままじゃ、いけないことも分かっていた。
家族のみんなは「みやびちゃんが行きたいと思えるまで私たちは待つよ」なんて、優しいこと言ってくれるから、私はまたその優しさに甘えてしまう。
そして、また夜がくる。
そして、みんなは何事もなく眠りにつく。
私が行きたいって言わないと、、、でも、、。
そう、焦ってる訳じゃないけど、、何だろうこの気持ち。
色々考えてしまって私は2時を過ぎても中々眠りにつけなかった。
「みやび?起きてるの?」
ミカは、隣で寝息を立て寝ていると思っていたけど、いつの間に目を覚ましたのだろう。
「う、うん、、ちょっとね」
曖昧な返事と適当におやすみなんて言って誤魔化そうと思ったけれど、ミカにそんなこと通じない。
「寝られないんでしょ?」
ミカは私の手をとって、散歩に行こうと言った。