第9章 これから
「ねぇミカ。なんで助けに来てくれたの?」
私は抱きかかえられたまま問う。
「……優くんから聞いてたんだ」
「ゆ、、優?」
「実は2週間に1回優くんと会っていたんだ。みやびが吸血鬼になったあの日から、ずっと。だから、、その、、血だって優くんに渡すことができた訳だし、、、」
みやびはミカからくれた血のことを思い出す。
「あっ!ありがとう。血をくれて、、色々助かったよ」
「大丈夫だよ、全然。今でも僕の血を飲んで欲しいとおもってるよ」
「ん、、?え?」
「ううん、何でもない」
ミカは私に微笑みかける。
そして、私の肩にぎゅっと触れたかと思うとミカは飛んだ。
私をお姫様だっこしたまま飛んだ。
そしてそのまま、地下鉄へ。
見覚えのある道。
そう以前、ミカが私を連れてきたところ。
即ち、吸血鬼のいる世界。
再び、私はここに連れてこられた。
考えることもあった。
吸血鬼である私の帰るべきところはやはりここなのかと。