第9章 これから
「怖かったね。遅くなってごめん」
ミカはそう言いながらそっと私を抱きしめる。
気がつけば私の腕がついていて、ミカは魔法使いだと思ってしまった。
でも、そんなわけなくて、私が吸血鬼だと実感せざるをえない瞬間だった。
しばらく、ミカに抱き寄せられていた。
そんなことしてる場合じゃない。
優も、与一も三葉もシノアも君月も!!!みんなみんな、危険な状態で、もしかしたら死んでるかもしれない状態で、、
私を顔をあげる。
だけど、どこにも彼らはいなかった。
「あ、、あぁ優くんたちはみんな大丈夫だよ。僕が救護施設に運んだからね」
ミカは簡単そうに言っているけど、あの短い間に5人も救護施設に運ぶだなんて。
距離としてはあまり離れてはいないけれども、、
そして、ミカがすっと立ったと思えば、ふわっと私の体は浮いて、いわば、お姫様だっこをされている状態。
いろいろあり過ぎて、頭がついていけない。