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My important place【D.Gray-man】

第46章 泡沫トロイメライ



「ち、違うよアレン。ユウとは報告書作成の約束をしてただけで…っ」



違うって否定すること自体、恥ずかしいんだけど。
でも思いっきり勘違いしてるアレンをそのまま放置する訳にもいかない。



「報告書?…一人で作ることもできないんですか、神田」

「ァあッ?」

「あー!違うの!まだ作ってないのは私で!ユウに手伝ってもらおうと思ってただけで…!」



これ以上踏み込んだらまた喧嘩勃発する!



「な、なんか今日はタイミング悪いみたいだから、今度にしようか。ユウ」

「は?」

「報告書は一人で作るから」



喧嘩が勃発するくらいなら、一人で報告書をまとめた方がマシだ。
さっさと逃げ道を作ろうと笑顔で提案すれば、がしりと強い力で腕を掴まれた。
まるで逃げ道を塞ぐように。



「お前が言い出したんだろ、今更変更なんざ認めねぇ」

「ぃ、痛…っ」



痛い、痛いから!
そんな怖い顔しないで!



「だから、お前は、さっさと、」

「ちょ、待っ…ユウ!?」

「部屋に入ってろ!」

「わぁあああ!?!!」



鍵を差し込んだままのドアを秒速で開け放ったかと思えば、勢いよく腕ごと体を室内に放られる。



「おブッ!」

「其処で待ってろ!」



放り込まれて顔面から衝突したベッド。
顔を上げる間もなく、ぴしゃりと言われてそのままぴしゃりとドアも閉められた。

あ。



『ちょっと!雪さんに乱暴は止めて下さい!』

『テメェがうだこだ煩ぇからだろ!』



ドア一枚隔てた向こう側から聞こえてくる、罵声と怒声と、それから拳を交えるような鈍い音。

あーあ…結局始まってしまった…。



「ガァウ…」

『ピィ…』



私の両肩に乗ったままの二匹のゴーレムが、主を思ってか小さな泣き声を漏らす。
私が止められたのは、精々この二匹のゴーレムの喧嘩だけだったようだ。



「女神様…やっぱり敷居高いですって…」



あの犬猿の仲の二人を止めるなんて。









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