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My important place【D.Gray-man】

第46章 泡沫トロイメライ



「何が?」

「サードとの鍛錬だって聞いてたから…」



意味がわからず問えば、そわそわと落ち着かない様子でアレンの目が私の体中を巡る。
別にサードとの訓練は今に始まったことじゃない。
それはアレンも知ってる。
手元まで隠れる上着を着ているし、首の火傷は応急処置で包帯を巻いているから、見た目にだって変なところはない。
はず。

何を心配しているんだろう?



「大丈夫だよ。相変わらずマダラオは手厳しいし、トクサも嫌味だらけだったけどね」



多分、トクサが昨日やんやと私に嫌味言ってたからかな?
相変わらず優しいなぁ、アレンは。
その優しさに笑顔を向ければ、暫くしてほっとしたようにアレンは息を吐いた。



「ならいいんです。雪さんが大丈夫なら」

「うん」

「…オイ」



肩を掴んでいたアレンの手が離れる。
と同時に、低い声が間に割り込んできた。



「無視してんじゃねぇよ」

「あれ?いたんですか神田」

「ァあ?」



ああ、いつもの光景だ。
喧嘩腰のユウにアレンもアレンで買って出るから、すごぶる悪くなる空気。
何度も目にしてきた光景だから、もうあまり怖さは感じなくなったけど。
時として傍にいたら二次被害を被るから、止めて欲しい。



「ああ…二人が見つめ合ってる…ッ」

「本当に頭大丈夫?クロエ」



どう見てもガン付け合ってるでしょ。
流石にあれはピンクな思考で見れませんよ私は。



「ただ少し挨拶が遅れただけでしょ。それくらいで怒らないでくれませんか?コンニチハ、カンダ」

「んな棒読みの挨拶なんて要らねぇよ!」


「ああー…もう…面倒だなぁ…」

「何言ってんのよ、凄いオイシイ場面じゃない…!あんたにはあの良さがわかんないの!?」

「二次被害が出ないなら萌えてもいいんだけどネ…」



ごめんクロエ、こればっかりは萌えられない。
喧嘩ップルはクロエの薄い本くらいの甘い感じで喧嘩していて欲しい。
火花飛び散る睨み合いの間に入ってみてごらんよ、背筋凍るから。



「テワク止めて」

「嫌ですわ。鬱陶しい」



わ、即答で嫌悪感剥き出しにされた。



「あ。ここはやっぱり女神様?」



そこで名案に気付く。
女神様の包容力溢れんばかりの空気感なら、二人を緩和させられるかもしれない。

うん、いけそうな気がする!

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