My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
「もう夕刻か」
「陽は沈んできたけど、まだ晩御飯には少し早いかな」
「夕飯の前にその格好をどうにかしないとだろ」
「これ?明日には戻るってティモシーが言ってたよ」
「違ぇよ。この格好だ」
身を起こす神田に、ベッドから下りて伸びをしながら雪が振り返る。
その姿は、相変わらず獣の耳と尻尾を生やしたまま、纏っているのは神田のシャツ一枚だけ。
伸ばした神田の手が触れたのは、柔らかい曲線を控えめに描く、胸の二つの丘。
「堂々とセクハラしないでくれませんか」
「揉んでねぇだろ」
「揉む言うなし。そして握るなし!」
「これじゃどう見てもノーブラなのバレんだろが」
「ユウがそうやって触るから…っんッ」
むに、と控えめでも充分な柔らかさを持つ胸を、シャツの上から包むようにして握りながら、頂にある芽を摘む。
すると忽ち薄いシャツの上からでも見てわかる程に、ぴんと頂は主張を成した。
「だっ…から!私の体で遊ばないでってば!」
赤い顔を晒しながらも強く体を押し返してくる雪の手に、仕方なく神田も胸から手を退いた。
「今日一日は俺の菓子なんだから、触るくらい好きにしていいだろ」
「いつもは行事なんて興味ない癖に、こういう時に限ってハロウィンなんて…って甘いものならもう充分あげたでしょ」
「おかわり」
「おかわり禁止!」
真顔で追加を要求する神田を即刻拒否。
荒げた息をつきながら、ふと雪の頭に一つの考えが過ぎった。
「あ」
「あ?」
「じゃあ私も。トリック オア トリート」
「………」
両手を差し出して本日魔法の掛けられる一言を雪が吐き出せば、神田の顔が僅かに渋められる。
菓子など持っていないことは承知の上で催促してきているのだろう。
そうして黙り込むこと、凡そ15秒。
「お菓子がないなら───」
「甘いもんだろ。それならある」
「え?」
予想通りの反応に雪が手を引っ込めると、逆に伸びた神田の手が顔を捉えた。
頬に添えられる手。
窓から差し込む夕陽に照らされた神田の顔が近付き、雪の顔に濃い影を作る。
神田の親指が、軽く雪の唇をなぞらえる。
その合図を悟った時には、唇を塞がれていた。