My important place【D.Gray-man】
第45章 10/31Halloween(番外編)
(あれ…?そういえば、そうだ)
神田の何気ない発言に、雪は一瞬考え込んだ。
遠い親戚だと言われていた小母達は、日系の人種ではない。
青い目に白人肌を持つ彼らは、本当に血の繋がりなどあったのか。
(お父さんは日本人だったらしいけど…お母さんは日系フランス人だったっけ…)
クロスに昔見せてもらった、唯一の両親を記した記録。
頭の奥底にしまい込んでいた情報を引き出しながら、ならば小母達は母との繋がりがあったのか、と。
一つの答えが出ると同時に、ふと別の疑問が浮かんだ。
日本は鎖国を行っている、周りの国々と関係を絶っている東洋の島国。
だからこそ国自体の謎も多く、純日本人など教団にはほぼほぼ存在しない。
雪の亡き父を除けば、現段階で雪一人だけとなる。
しかし日本人と日系としてもフランス人との間に生まれたのならば、国籍を父と同じ日本としても生粋の日本人ではなくなるはずだ。
「……私、フランス人っぽく見える?」
「あ?…………見えねぇ」
「だよね…」
ずっと欲しかったもの。
手に入れたかったもの。
それは亡き両親の二人だけだった。
そこに違和感など感じたことは一度足りともない。
「なんだよ急に」
「…私の母はね、日系フランスの人だったの。父は日本人だったらしいけど…だから私にもフランス人の血が流れてるのかなって」
「………」
ぽつりぽつりと自信なさげに話す雪を、まじまじと神田の目が捉える。
そう言われても、確かにその通りだと思えるような風貌を雪はしていない。
「単に父親似ってだけだろ。何深刻そうな顔してんだよ」
僅かに眉を寄せて、神田は迷いなき結論を吐き出した。
「お前の体に誰の血が流れてようが、雪は雪だろ。違うか」
「…違わない」
「そうだろ。大体此処は多国籍な奴らの集まりだからな。多種多様に血が混じってる奴だって大勢いる」
「…ん。そうだよね」
確かに神田の言う通りだ。
国籍や出身に拘るような、それこそ突き詰めれば人種で差別をするような者はこの教団にはいない。
だからこそ雪も稀な日本人としても特異に見られることはなく、此処で働けていたのだ。