My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「とにかくオレは見てねぇさ。力になれなくて悪い、ミランダ」
「そう…見てないならいいのよ。仕方ないわ」
「探すの手伝ってやりたいけど、オレもユウ捜してるから。じゃ、急いでるんでっ」
「あ、待てラビ」
片手を軽く挙げて足早にその場を去ろうとしたラビを、はっとマリが呼び止める。
「神田捜し、私も付き合おう」
「へ? でも…」
「すまない、ミランダ。神田のことなら思い当たる節があるかもしれないんだ。縫いぐるみ探しはその後付き合うから」
「い、いいのよマリさんっもしかしたら本当に持ち主が見つけたのかもしれないし…それにマリさんもそんな容態でしょう? 付き合わせちゃってごめんなさい」
慌てて首を横に振り、心配そうにミランダが見つめる先は、包帯で固定されたままのマリの片腕。
その先の手は指が二本欠けてなくなったまま。
入院する程ではないとすぐにいつもの生活に戻ったが、それでもミランダの心配は尽きなかった。
「いいや。怪我した私に付き合ってくれていたのはミランダだろう? ありがとう。私に礼を言わせてくれ」
「そ、そんなこと…っ」
優しい笑みを浮かべるマリに、ミランダの顔に赤みが差す。
そんな二人の柔らかい雰囲気に約一名、置いてけぼりを喰らっているラビは静かに気配を殺しながら、しみじみと傍観していた。
(雪じゃねぇけど……春さな。なんか)
うんうんと二人を見る度に頷いていた雪の予想は、当たっていたのかもしれない。