My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「──っていねぇッ!」
ヘブラスカの間を飛び出して小1時間。
ラビは教団の中を駆け回り捜したが、目を惹く長身長髪のあの姿は何処にも見当たらなかった。
「こういう時になんで見つからねぇんだよ…! いっつも馬鹿みたいにトレーニングしてる癖にッ!」
神田が聞いたら即反感を喰らいそうな悪態を突きながら、つい地団太を踏む。
修練場や座禅の間、外の森の中でさえも鉄槌に乗って探し回ったというのに。
自室にも勿論姿はなかったし、食堂や風呂場にもいなかった。
目ぼしい場所は全て見て回ったのに、一体何処へ姿を消したというのか。
「まさか急な任務が入ったとか…?(いや、まさかな。コムイがあんな状況なのに、任務なんて当てる暇ねぇだろうし)」
ふと思い当たった予想は自ら打ち消す。
その可能性は低いだろう。
(最後に見たのは修練場だってリナリーが言ってたし…後は風呂入って飯食って寝る以外に何があるってんさ)
苛々と考え込みながら、足早に広い教団の廊下を急ぐ。
見当たらないならば、手当たり次第に聞き込みする他ない。
真っ先に思いついたのは幼馴染であるリナリーだった。
彼女以外に神田と共にいそうな相手は誰か。
巡らせた頭に浮かんだ顔は一人。
「どうだ? ミランダ」
「やっぱり見当たらないわ…」
その姿を食堂の入口に見つけて、咄嗟にラビは駆け寄った。
「マリ! 丁度良い所にいたさ!」
「ん? ラビ?」
それは神田と同じティエドール部隊であるエクソシスト、ノイズ・マリ。