My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
(考えろ、オレ。考えろ)
湧き立つ感情を抑えながら、冷静に思考を回す。
この状況で今、自分ができることはなんなのか。
「……っ」
ブックマン一族としての立場。
助けを乞うた雪の姿。
考えても考えても、的確な打開策など出てこなかった。
(…やっぱこれしかねぇか)
出てきたのは、曖昧な方法だけ。
「……」
「待てラビ」
雪達が出て行く扉とは、反対の扉へと踵を返す。
そんなラビの行動がまるで予測できていたかのように、すぐさま止めに入ったのはブックマンだった。
「何処へ行く気だ」
「…何処だっていいだろ」
「忘れたのか。我らは"ブックマン"として月城雪に関わっているのだぞ。勝手な行動は許さん」
「…別になんもしねぇよ」
背を向けたまま応えるラビの言葉は真意なのか。
師の鋭い視線を背中に感じながらも、ラビは淡々と感情の読めない声で受け答えるだけだった。
「本当じゃな」
「しつけーさジジイ! 嘘なんてつかねぇよッ」
尚も問いかけてくるブックマンに、反発するように声を荒げる。
振り返りそれだけ告げると、ラビは扉へと駆け出した。