My important place【D.Gray-man】
第43章 羊の詩(うた).
「何事だこれは…ルベリエ長官っ?」
「何をして…ッ長官、月城雪の出檻は認めてません!」
「…これはこれは、賑やかな訪問客ですね」
荒々しく開く扉に、姿を現したのは司令室に置いてきたはずの者達。
バクにコムイ、他にブックマンやレニーの姿もある。
突然の訪問に多少驚きながらも、ルベリエはやれやれと肩を竦めただけだった。
ヘブラスカの間にいることは、この場にいる者達しか知らないはず。
なのに何故コムイ達が此処に来たのか。
問わずとも誰の仕業なのか、すぐに理解したルベリエは静かにラビへと目を向けた。
返されたのは鋭い翡翠色の隻眼。
その反応で充分だった。
此処に無駄な者達を呼んだのは、ラビの仕業なのだろう。
〖遅ぇさジジイ〗
歩み寄るブックマンに、ぼそりとラビの声が低く届く。
ラビが咄嗟に通信ゴーレムで繋げた相手は、師であるブックマンだった。
ある意味では自分も見張られている身。
詳細は何も報告できなかったが、そこは数々の歴史を渡り歩いてきた者。
通じたゴーレム越しの音を拾い察知したのだろう。
雪への危機と、其処がヘブラスカの間であることを。
〖こちらもこちらで立て込んでおったんじゃ。文句を言うな〗
隈取りが施されたブックマンの化粧の奥の眼が、ルベリエから雪へと移る。
微かにその眉間に皺が刻まれたのを、ラビは見た。